
私が渡米した1995年、日本人メジャーリーガーは野茂英雄、たった一人しかいませんでした。月日は流れ、今年は過去最多の選手数になり、もはや日本人選手は当たり前の時代になりました。
ドジャースが野茂を獲得して以降、マリナーズがイチローを、ヤンキースが松井秀喜をそれぞれ手中にし、ビジネス的な側面でも成功を収めてきました。事実、ヤンキースは松井を獲得してから、日本での露出や認知度がこの7年間で飛躍的に高まり、「ヤンキース」というチーム名が日常会話に、頻繁に出てくるようになりました。
この流れは、レッドソックスに入団した松坂大輔で決定的なものになりました。「1億ドルの男」。アメリカのメディアは松坂をそう呼びました。入札金額の60億円に加えて、6年総額60億円の合計約120億円。これはメジャーで1球も投げたことのない投手に対する評価としては歴史的な額でした。
レッドソックスは十分な調査と試算に基づき、松坂の投手として、そして商品としての付加価値を評価した上での先行投資を決めました。これまでの日本人選手の安定した活躍という基盤の上に、レッドソックスは松坂の日本や国際舞台での実績と実力、マーケティング価値、市場開拓という要素をすべて分析しました。すべてのタイミングが一致したからこそ、「1億ドルの男」は誕生したのです。
ライバルの成功に、ただ指をくわえて見ていることしかできなかったレッドソックスは、ダイナミックに現状を変えるために動きました。彼らが導き出した結論は、「Made in Japan」の獲得でした。それは「松坂大輔」という商品の輸入に他なりませんでした。

ゴルフやサッカーは元より、スポーツ界のボーダレス化は加速し、選手の移籍はもちろんのこと、巨額なマネーの流れが日々のスポーツ・ニュースでも取り上げられるようになりました。昨年、メジャーリーグは過去最高となる6,000億円の売り上げを計上し、これは日本で言えば、東証1部上場企業の売り上げに匹敵する金額と言えます。
選手の国際化により、日本でもスポーツビジネスへの関心の高まりは増しています。スポーツの分野で仕事をしたいと考える学生が飛躍的に増え、アメリカの大学には多くの日本人留学生が日々勉学に励んでいます。うれしいことに、日本でも、学科や学部に「スポーツ」を掲げる大学が増え、スポーツビジネスの未来は明るくなりつつあります。
その一方で、スポンサーに名乗りを上げる企業、球団経営に参加する企業、スポーツ・グッズを販売する企業は厳しさを増す経済状況に触れ、取捨選択を続けています。いかに効率的に、合理的にスポーツに投資するのかは、永遠の課題の一つです。
私がアメリカの大学院で学んでこと、スポーツビジネスやメディアの世界で直に経験したことに基づき、球団、一般企業、スポーツ関連会社、そして高校や大学などの教育機関まで、スポーツビジネスに関わる問題を解決するために、時流を読みながら、具体的なアイデアと事案によって、「ONLY ONE」の発想でコンサルティングしていきます。
スポーツコンサルタント 古内 義明

